「エムガルティ」の在宅自己注射について
(「アイモビーグ」に続き、2023年2月から「アジョビ」でも可能)
当院では片頭痛治療薬「CGRP」の在宅自己注射を始めました。今まで、病院内での注射だったため、毎月約30日後の決められた日に仕事を休みにして受診をしなければならず、仕事のある人には受けにくい治療でしたが、今後大変便利になります。自分で注射を行うことに慣れてきたら、3本(約90日分)をまとめて処方することもできますので、年間4回受診するだけで治療を継続することが可能になります。
CGRP自己注射での治療の流れ
- STEP①
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- 通常通り、診察の受付を行ってください(予約不要)
- 診察室で「CGRP自己注射の治療希望」と担当医師にお伝えください
- STEP②
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- 医師がCGRP自己注射の治療が可能かどうか、判断します。
(頭部CT、血液検査、過去の内服薬の使用歴、頭痛頻度、等、確認のうえ) - 頭痛ダイアリーをお渡しします。2-4週間、頭痛の様子を記録してください。
- 医師がCGRP自己注射の治療が可能かどうか、判断します。
- STEP③
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- 2-4週間後、再診
- 持参する物:頭痛ダイアリー
- 初回は従来通り、看護師が院内で注射を行います。
(注)いずれ、ご自身での注射になりますので注射の手順をよく観察してください。 - 診療後、予約票をお渡しします。
- ガイドラインでは、在宅自己注射の導入は薬剤の効果判定を実施する3ヶ月(3回投与後)を目安に行うことが推奨されています。
- STEP④
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- 約30日後、再診
- 持参する物:頭痛ダイアリー
- 医師の診察の後、看護師が自己注射の指導をいたします。
- 練習後、以下の物品をお渡しします
1.持ち運び用バッグ
2.保冷バッグと専用の保冷剤3.使用済みオートインジェクター運搬袋
4.消毒綿
- STEP⑤
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- 会計後、CGRP自己注射の処方箋をお渡しします(初回は、1本のみ)
- 薬局でCGRP自己注射のインジェクターを受け取ってください。
- STEP⑥
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- 帰宅後、インジェクターは、冷蔵庫(2~8℃)で保存 → 冷凍庫で保存しないよう注意!
- 専用の保冷剤は、冷凍庫(-18℃)で冷やしてください。
- STEP⑦
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- 注射を行う30分前に冷蔵庫から取り出し、常温に戻してから注射して下さい。
- 使用済みインジェクターは必ず、運搬袋に入れてください。
インジェクターは当院で廃棄します。
- STEP⑧
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- 約30日後、再診
- 持参する物:
- 1.頭痛ダイアリー
2.凍らせた、専用の保冷剤を入れた保冷バッグ
3.使用済みインジェクター - 再度、看護師の指導を受けたい方は、医師にお申し出ください。
- STEP⑨
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- 看護師の指導なしで自己注射ができるようになったら、CGRP自己注射3本(約90日分)の処方も可能です。ご希望の方は、医師にお伝えください。
当院では3種類全てのCGRP注射薬を使用することができます。
それぞれのお薬についてはこちらからご覧ください。
CGRP自己注射を使用する方へ
CGRP自己注射は保険適用のお薬です。保険3割負担の方であれば、1本12,400円~13,500円程度です
(再診料などは別途かかります)。自己注射に慣れましたら、一度の診察で最大3本(37,200円~40,500円)まで処方することができます。
ご加入の健康保険組合や共済組合によっては、「付加給制度」や「一部負担還元金」を設けている場合があります。これは、1ヶ月の自己負担金額の上限を超えた医療費がご加入の組合から支給される制度です。
自己負担の上限となる金額は加入している健康保険組合や共済組合によって異なりますが、厚生労働省が指導している金額は25,000円で、それに近い金額が設定されています。その場合、例えば一度の診察でエムガルティを3本処方すると、40,500円(+再診料など)-25,000円=15,500円以上が還付さ
れることになり、自己負担が大幅に軽減されることになります。
こちらの制度につきましては、加入されている健康保険組合や共済組合にお問い合わせください。